2023年6月の歌「夏は来ぬ」

お知らせ

ハッピーシャワータイムの6月の歌は、「夏は来ぬ」です。

「夏は来ぬ」

佐佐木信綱 作詞
小山作之助 作曲

この曲は明治29年まさに初夏5月の発表でした。

作詞者の佐佐木氏は古典文学者、万葉集の研究者として著名な国文学研究者でした。

佐佐木信綱氏は歌人佐佐木弘綱氏の長男として生まれ、父の指導の下、満4才の時には万葉集・古今集・山家集の名歌を暗誦、5才にて作歌。
万葉集などの古典文学は身体の中に染み付いていたのでしょう。
その事が随所に現れています。

耳慣れない「言葉」や今はあまり使われていない「漢字」なども出て来ます。
木の名前、花の名前等も。
ちょっと紐解きながら。
そして今や歌詞の中の漢字も古い物はここに書くことが出来ません。
なので、皆さんにお配りしている歌詞の漢字と違った書き方をしている事お許し下さい。

 

1. 卯の花の 匂う垣根に
時鳥 早もきなきて
忍音もらす 夏は来ぬ

ウツギの花が美しく映えた垣根に時鳥が早くも来て、今年初めての鳴き声を聞いた。
ああ!夏が来るんだなぁ。。

卯の花は4月から5月に咲くウツギの花のことです。
白くて美しい花です。

今年は花の咲く時期が例年に比べて早かったですね。
4月に真っ白な美しいウツギの花がさくと
「卯の花の 匂う垣根に♪」なんてつい口ずさんでしまいます。
なので、「今年はもう咲いてる」などと季節の早さも感じます。

卯の花と時鳥は万葉集のお決まりで「夏の到来」を表す語句だそうです。
「匂う」は短歌などと同じく「美しく映えて見える」の意味だそうです。

「忍音もらす」素敵な響きのある言葉です♪
その年初めての鳴き声。つい音まで想像してしまいます。

 

2. 五月雨の そそぐ山田に
早乙女が 裳裾ぬらして
玉苗ううる 夏は来ぬ

山村の田植え風景ですね。
梅雨の雨の中、苗代から苗を移す作業。
田植えをする女性が着物の裾をぬらして精魂込めた苗を植えている。
ああ、夏が来るんだなぁ。。

民俗学で言うところの玉は「魂を通じて、心を込めて育てた」の意味だそうです。
玉苗は心を込めて育てた大切な苗ですね!

今は見なくなってしまったこの風景。
子供の頃を思い出して歌っていましたが、
5月中旬をちょっと過ぎた頃、山梨県北杜市で一面に美しく広がる田んぼを見た時
この2番の歌詞を思わず歌ってしまいました(笑)

綺麗に整頓されて植えられている「玉苗」。
日本中あちこちで見られるんですよね!
こうして私達の口にお米が入る。
当たり前ですが、一人では何も作れない。
みんなに支えられている事をしみじみ思いました。

 

3. 橘の かおるのきばの
窓近く 蛍とびかい
おこたり諌むる(いさむる) 夏は来ぬ

橘の花のかおるのきば。
橘はみかん科の一種。
お雛様にも飾られていますね。
「のきば」の言葉自体、今の子供達には馴染がないかもしれません。
都会では中々見られなくなりました。
家の屋根のうち、壁よりも外側に突き出ている部分です。

そう言えば、「たなばたさま」の歌の中にも出て来ます!

「蛍の光」の歌詞にあるように 昔、夏は蛍の光を集めてその明かりで勉強したとか。。
冬は窓の雪の明るさで勉強したとか。。

私はこの3番「夏休み、しっかり勉強しなさい!」などと言われた子供の頃を思い出し、苦笑いをしてしまいます(笑)

 

4. 楝ちる 川辺の宿の
門遠く 水鶏声して
夕月すずしき 夏は来ぬ

「楝ちる」この言葉も?マークが飛びますよね!夏に花をつける落葉樹「センダン」のこと。
「水鶏声」とは「ヒクイナ」と言う夏にやってくる水鳥。
今やYouTubeでヒクイナの声も検索できますが、涼しげな声です。
その声と「夕月すずしき」この歌詞は夏の夕暮れの涼しさ、気持ちよさ、肌の感覚として感じませんか?

 

5. 五月やみ 蛍とびかい
水鶏なき 卯の花さきて
早苗うえわたす 夏は来ぬ

この5番、すごいですね!
何がすごいって1番、2番、3番、4番の中の語句を一つずつ入れてるところ。
これが、夏に向かう時の流れを次々に伝えて、優雅に美しく夏へ向かう気持ちを運んで行くように感じてしまいます。

また、1番から5番までのそれぞれの歌詞の最後の言葉「夏は来ぬ」は日本の四季を深く感じ、思いを込めて歌って頂けたら最高です!

以上は私の勝手な想像力からお話させていただきました。

古くから歌われている歌詞の中には日本語の美しさとその意味の奥深さがあります。
「感性の扉が呼び起こされる」そんな風に感じてなりません。
さぁ!映像の世界を繰り広げて味わってみませんか!

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