2022年6月の歌「夏は来ぬ」

今月の歌

ハッピーシャワータイムの2022年6月の歌は「夏は来ぬ」です。

「夏は来ぬ」
佐佐木信綱 作詞
小山作之助 作曲

美しい日本語です。
5番まであるので今年は1番、2番をしっかり頭の中に落とし込みたいと思います。

この曲は明治29年まさに初夏5月の発表でした。

作詞者の佐佐木氏は古典文学者、万葉集の研究者として著名な国文学研究者でした。

佐佐木信綱氏は歌人佐佐木弘綱氏の長男として生まれ、父の指導の下、満4才の時万葉集、古今集山家集の名歌を暗誦、5才にて作歌。
万葉集などの古典文学は身体の中に染み付いていたのでしょう。
その事が随所に現れています。

1.卯の花の 匂う垣根に
時鳥 早もきなきて
忍音もらす 夏は来ぬ

ウツギの花が美しく映えた垣根に時鳥が早くも来て、今年初めての鳴き声を聞いた。
ああ!夏が来るんだなぁ。。

映像が浮かびます。
卯の花は4月から5月に咲くウツギの花のことです。
白くて美しい花です。
卯の花と時鳥は万葉集のお決まりで「夏の到来」を表す語句だそうです。
「匂う」は短歌などと同じく「美しく映えて見える」の意味だそうです。

ウツギの花を見るとこの1番が浮かびます。
「忍音もらす」素敵な響きのある言葉です♪
その年初めての鳴き声。つい音まで想像してしまいませんか?

「夏は来ぬ」は1番から4番まで時期が微妙に違っているように思います。
それを感じながら歌って行くのも意味があるように思います。

2.五月雨の そそぐ山田に
早乙女が 裳裾ぬらして
玉苗ううる 夏は来ぬ

山村の田植え風景ですね。
梅雨の雨の中、苗代から苗を移す作業。
田植えをする女性が着物の裾をぬらして精魂込めた苗を植えている。
ああ、夏が来るんだなぁ。。

民俗学で言うところの玉は「魂を通じて、心を込めて育てた」の意味だそうです。
玉苗は心を込めて育てた大切な苗ですね!

この曲も明治の時代、その頃の苦労が伺えます。

1番から5番まで歌詞の最後に出て来る「夏は来ぬ」の言葉。
題名でもあり、この曲の一番気持ちを込めて歌いたい部分ですね!

古くから歌われている歌詞の中には日本語の美しさとその意味の奥深さを感じます。
「感性の扉が呼び起こされる」そんな風に感じます。
さぁ!映像の世界を繰り広げて味わってみませんか!

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